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18年度・全国俳句大会(茨城)競詠20句(06.9.29~10.1)
水戸藩校→弘道館→笠間稲荷→西念寺(親鸞聖人開宗)→石切山脈→五浦
勿来の関→野口雨情記念館→大観荘→岡倉天心旧居(六角堂)



秋蝶
 山門の毛綱奉納冷まじき

 湯浴みして秋蝶となる明日かな 

 秋深む手擦れの跡の百里鏡 

 灯台の扉錆浮くそぞろ寒

 秋高し大黒天の高笑ひ

 穭田も旅先なればをかしけれ

 欠字ある蟄居の間なり冷まじき

 寄せ稲荷てんでに構へ胡桃落つ

 すれ違ふ幅なき橋の赤まんま

 竜胆の濃さを褒めつつ宿坊へ


 国分かつ勿来の関や鳥渡る

 水遣ふ石切場なり九月尽

 秋暑し石切工場の大薬缶

 秋の灯を消せば波音近づきぬ

 零れ萩さらに鎮もる孔子廟

 吊り上げる石垂直に秋の天

 身に沁むや関所へ下る石畳

 秋日差す六角堂の止瓦

 色変へぬ松の撓みも天意かな

 愉快なる旅終へてより秋時雨
   
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